2010年2月16日火曜日

IFRSアカデミー@Roppongi Hillsのお知らせ

この度、

IFRSアカデミー@Roppongi Hills 

IFRS, Strategy and Value -IFRS における経営戦略と企業価値

と題して特別ワークショップを開催することになりました。

IFRSがひとつのブームとなっているような状況ですが、

結局IFRSが企業経営に与える影響とは何なのでしょうか。

「企業経営が大きく変わる」と騒がれたり、「騒ぐ程大きな影響はない」と静観したり、

いろいろな論調で語られていますが、

そろそろ経営者としてIFRSをどう捉えるのか、考えておく時期にきているのではないでしょうか。

このワークショップでは、株式会社スリー・シー・コンサルティングの武田さん、株式会社イージフの会計コンサルティングチームといった会計士による特別講義により、

IFRSの理解を深め、CEOやCFOの方同士での情報共有を図りながら経営上の影響を考えていきます。

六本木ヒルズのカンファレンスルームにて軽食をとりながら、IFRSと企業経営について考えてみませんか。

【IFRSアカデミー@Roppongi Hills】

日程:2010年 3月4日(木)、4月8日(木)、5月13日(木) 全3日間

時間:18:00〜21:00

     (会場では軽食をご用意しております)

場所:六本木ヒルズ内・六本木アカデミーヒルズ 49Fカンファレンスルーム

対象者:CFO・CEO、または同等の方

参加費:¥31,500(税込)

     *3回セット。各回の個別のお申し込みは受付ておりません。

定員:28名

     *定員になり次第締め切りとさせていただきますので、予めご了承ください

主催:株式会社イージフ/株式会社スリー・シー・コンサルティング

講師

  株式会社スリー・シー・コンサルティング

  コンサルティング事業部長・公認会計士 武田雄治



  株式会社イージフ

  公認会計士 藤井健一郎

  公認会計士 野口由美子

  公認会計士 中川 宏介

お申し込みはは弊社HPからお願いいたします。



国際会計基準の収益認識が改訂される:製品保証はどう扱う?

国際会計基準と日本の会計基準の特徴的な違いとして
収益認識はトピックとしてよく取り上げられます。

日本の会計基準ではこれまで収益認識について定める会計基準がなく、商慣行などに基づいて売上を計上してきました。
それに対して、国際会計基準では基準書に収益認識の要件が
定められています。
売上を「実現主義」で認識するという考え方は同じなのですが、
国際会計基準の要件に照らすと、
日本基準での売上計上タイミングと違う場合が出てくると考えられています。

しかし、一方で国際会計基準側でも収益認識は見直しがなされています。
国際会計基準審議会(IASB)では去年収益認識に関する討議資料を公表しています。
2010年の第2四半期には公開草案を出し、
2011年には基準書が改訂される予定です。

現在検討されている収益認識とはどのようなものなのでしょうか。

討議資料では「顧客との契約」に注目した収益の認識基準が提案されています。
契約上の履行義務が果たされた時、というのが収益認識のポイントになります。

たとえば、製品保証などで、製品に欠陥があった場合、
欠陥品については交換しなければならないという取引はよくありますが、
このような取引はどう考えるのでしょうか。

製造上欠陥のある製品を交換しなければならない契約であれば、
欠陥品を引き渡しても契約上の義務を履行したことにはなりません。
そこで、
欠陥のある製品を交換することが求められる場合には、企業は、そのような製品に対しては収益を認識しないことになります。

また、
欠陥のある資産を修理することが求められる場合には、企業は、修理によって交換することが必要となる構成要素に対応する部分に対しては、収益を認識しません。

このように製造上の欠陥を保証するものではなく、
製品保証の目的が、製品引渡後に生じた欠陥をカバーするものである場合は、
その保証は独立した履行義務を生じさせると考えて、
別の義務を認識します。
そのため、取引価格の一部を当該履行義務に配分する処理を行ないます。

通常、製造上の欠陥が存在する製品については交換が必要になることが多いと考えられます。
返品や交換については、これまで取引会社間の慣行で対応してきた場合も多く、
はっきりと契約で明記されていないこともあります。
改めて、取引先との契約関係を見直すことから始める必要があるでしょう。

国際会計基準の基準書として確定するのにはまだ時間がありますが、
収益認識の改訂については随時動向を追っていきたいと思います。

2010年2月8日月曜日

時価が分からないときの時価会計とは

国際会計基準では、

よく紹介されているように

時価会計、公正価値による測定を重要視します。

IFRS第9号に規定されている金融商品の測定では、

特定の要件を満たした金融資産は償却原価で測定することになりますが、

それ以外は公正価値で測定することになります。

また、

固定資産の会計処理では

日本基準にはない、再評価モデルが認められます。

再評価モデルを選択すると固定資産を取得原価で据えおかずに、

公正価値で再評価を行なうことになります。

非常に公正価値の適用場面は多いので、

公正価値についてはいろいろな基準書で別々に規定が定められてきましたが、

現在、公正価値測定ガイダンスの公開草案が公表されており、

どのように公正価値による測定を行なうのか、包括的なガイダンスが検討されています。

そこではどのように公正価値を測定するのか参照する情報や評価技法について決められるわけですが、

むしろ問題になるのは、

公正価値、時価が入手できない場合です。

公正価値測定ガイダンスの公開草案でマーケットデータなどが分からない場合でも

仮想市場を想定した価格を算定することを提案していますが、

具体的な方法については触れられておらず問題になっていました。

そこで、国際会計基準審議会(IASB)ではこの問題についてコメントを募集し、

日本公認会計士協会からも意見を出しています。

この中では、

日本の場合も市場の発達した国に比してマーケットデータの制約が大きいという問題が

実務上存在すると指摘しています。

個別に非上場株式と事業用資産の公正価値測定について具体的なガイダンスの必要性を述べています。

今後どのようなガイダンスが出されるか注目していきたいところです。

それにしても、

日本公認会計士協会が意見内で日本は市場の発達した国ではないと認めていることもありますが、

日本がIFRSの時価会計とつきあっていくというのは苦労が多いのかもしれません。



2010年2月1日月曜日

IFRS導入のコストをかけない

日本でのIFRSの導入にあたって
早期適用を検討している大企業などでは
すでに全社プロジェクトとして動き出しているところもあるようです。



しかし、多くの企業では
本格的な検討に着手し始めているとはいえ、
プロジェクトの発足というところまで進んでいないかもしれません。



背景には
最近の経済情勢がなかなか上向いてこないことや、
まだまだ日本でどのような適用になるのか見えてこないという
もどかしさもあるようです。



IFRSの対応で、実際にまず問題になってくるのは
コストのことだと思います。
実際のコストを見積るには調査、検討が必要になりますが、
海外の例を参考にすることもできます。



イングランド・ウェールズ勅許会計士協会(ICAEW)がEUのIFRS導入についての報告書を出しています。
日本の私たちにも非常に参考になります。
ここでのEUの事例では以下のようになっています。


               

売上高500Mユーロ(625億円)以下の企業  売上高の0.31(2億円弱)



売上高500M5000Mユーロ(625億円〜6,250億円)の企業  売上高の0.05(3千万円〜3億円)



売上高5000Mユーロ(6,250億円)以上の企業  売上高の0.05(3億円以上)



EU Implementation of IFRS and the Fair Value Directive)



(円換算は1ユーロ=125円で換算)






大企業ほど導入にコストがかかるのは予想通りだと思います。



しかし、小規模の企業と中規模の企業で比較すると逆転して、規模の小さい企業の方がコストがかかってしまうという状況が生じています。



一般的には大企業の方が複雑な取引が多いなどの理由で、IFRS対応のコストがかかると考えられますが、



そのこと以上に、小規模な企業では内部の人員だけでは対応できず外部のリソースに頼らなくてはならない部分が多くなりコストがかかっているようです。



また、この報告書で大企業では導入時のコストが高くなるがその後のランニングコストは大企業の方が低くなっていると指摘されています。



実際にIFRSの対応を検討してみると、簡単にいうと、



初期投資を増やしてシステムなどで対処するか、



マニュアル作業を増やして「力技」で対処するか、



という選択肢を考えることになる場面が多いと思います。



IFRSへの修正を手作業で行なうといった対処法は初期の導入コストを減らすことができますが、



その後ずっと作業負荷が重くなってしまい、経理部門を中心に負担が大きくなるでしょう。



だからといって、すべてをシステム処理にすれば解決、というものでもありません。



費用対効果でみていくことになるでしょう。



どのように導入コストを抑えていくか、ということが重要なのは確かですが、



うまく対処していくには、やはり早期から検討を進めていくことが必要だと思います。